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椎葉村情報誌「ONLY ONE Shiiba」

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今年の焼畑

八月十六日、 勝さんの山では、今年も変わることなく焼畑がおこなわれました。 世界にさまざまなことが起こっても、起こらなくても、ずっと続けられてきた営み。 今年の煙、クニ子おばあは空の上から見てくれたことでしょう。

不土野のほうれん草

 ほうれん草が育つほど、椎葉の夏は涼しい。標高約650メートルの不土野地区に、那須貴文さんのほうれん草ハウスがあります。  栽培するのは五月から十月の半ば頃まで。種まきから収穫のおよそ四十日を一サイクルとし、それを半年間繰り返していきます。  空が明るみ始める朝六時には、収穫が始まります。ハウス一面にぎっしりと生える青々としたほうれん草。このシャキッと元気な状態を保ち続ける裏には、ほうれん草農家の丁寧な手仕事があります。  奥さんの尚美さんが行うのは、出荷の調整作業。下葉

矢立高原フェスティバル

 こちらは熊本県境に位置する大河内の矢立高原キャンプ場。久々の矢立高原フェスティバルの開催とあって、椎葉村中からお客さんが集いました。  この祭りの名物は宮崎牛のバーベキュー。入場券がお肉の引換券になっているのですが、この日は完売するほどの集客だったそう。  「今年は道も悪いし、お客さんがどれだけ来てくれるだろう」と主催の『大河内やる気会』の皆さんは少々心配だったそうですが、なんのなんの、蓋を開けると大盛況。竹灯篭づくりに歌謡ショー、親子ダンス、一等賞は大型テレビのお楽しみ

川おだやかに

 尾向渓谷まつりは、早朝からの釣り大会と午後のエノハ(ヤマメ)のつかみ取り、そして出店とステージで賑わう夜の部と盛りだくさんのお祭り。  今年は残念ながら台風の影響で釣り大会は中止になったけれど、子どもたち(とその親)のお目当てのつかみ取りは大盛況のうちに開催されました。  川を仕切って作った池には何百尾というエノハが放流されていて、初めはおっかなびっくりでその中に飛び込んでいく子どもたちを、実行委員のお父さんたちは、堤の上から優しく見守ります。  自分達がかつて河童のよ

小崎夏まつり

 こちらは旧小崎小学校。小崎夏祭りの会場設営のために、朝から地域の皆さんが作業中。夕立の多いこの時期、天気予報とにらめっこしながら、「やっぱり外の方が盛り上がるもんね」と、会場を運動場に決め、「どうじゃったかね、こうじゃったかね?」と四年前の記憶を思い出しながら、汗を流していました。  子どもたちは、射的屋さんに列を成して大はしゃぎ。それをにこにこと相手するのは、地元出身の若手たちです。椎葉の若者は、本当に地域思いで人想い。そんなお兄ちゃんの優しさがまた、子どもたちにも伝染

しいば花火大会とダム放水

 今年のしいば花火大会は、三十二年の歴史の中で初めて、上椎葉ダム放水との競演が実現しました。  実は八月の花火大会直前に九州沿岸を通過した台風六号の影響で、災害発生の危険性もあり開催が危ぶまれる緊迫した状況でした。ところが幸い大きな被害がなく、一転してダム放水と花火打ち上げが同時に実現するという奇跡的な展開となったのです。  ここ数年間のコロナ禍でも唯一、椎葉の夏の催しとして開催を続けてきたしいば花火大会。花火通の間では、周りをぐるりと囲んだ山々への反響音の迫力が、しいば花火

不土野歌謡選手権

 2023年。  四年ぶりに「椎葉の夏」が帰ってきました。  知る人ぞ知る不土野歌謡選手権、コロナ禍を乗り越えて待望の第六回の開催です。   のど自慢の強者たちが勢揃いした不土野小学校の体育館は、熱気ムンムン!普段はシャイなあの人も、懐かしのナンバーを携えてマイクを持つと、別人のごとく輝くから驚きです。  応援団のきらびやかなうちわがヒラヒラ舞う中、大人たちはお酒が進み、子どもたちはかき氷をもう一杯。  飲めや歌え、歌えや踊れの愉快な夏の復活を皆がどれだけ心待ちにしていた

いきいきサロンと移動図書

 山道をぐんぐん登りつめた先に、小さな集会所があります。松尾地区、畑・鳥の巣(こば・とりのす)公会堂。この日は月に一度の「いきいきサロン」。近所に住む高齢者の皆さんが集っています。  このサロンは、椎葉村社会福祉協議会の職員さんが各集落を訪れ、皆で健康体操をしたり、お茶を飲みつつおしゃべりをしたり、ご近所さんと定期的に顔を合わせて互いの元気を確認しあう大切な場となっています。  そして最近、サロンに来られる高齢者の方へ本の貸し出しを行う移動図書の取り組みも始まりました。  

下椎葉と佐礼

長い間、それも三年もの間、私たちの上をどんよりと覆っていた雲。コロナ、台風災害・・・。 その雲がようやく晴れた2023年の椎葉は、各地で祭りが目白押し。 再び賑やかさを取り戻した村の、夏の一コマ。  「上椎葉」はよく聞くけれど、「下椎葉」という地名は耳に馴染みがないという方は多いのではなかろうか。  七月のある日、午前十時半、「ドリーム」と書かれた大きな看板が掛かる下椎葉商店に二人のお客さん。朝の一仕事の後、主人の椎葉静男さんと冷たいジュースを傾けながら情報交換のおしゃべり

【椎葉若者写真鑑】 集落支援員

 東京で生まれ育った大石哲嗣(てつじ)さん。農業系の出版社に勤めながら、農村の問題や山村の暮らしを取材する中で、山の木々に囲まれて「かてーり」と呼ばれる共助のシステムの中で暮らす農村の逞しさに惹かれるようになりました。  「若いうちから移住して、村民になる生き方をしてみたい」  そんな思いに駆られ、日本各地の候補地を回って、辿り着いたのが椎葉村でした。  椎葉では造林や土木の仕事を経験し、山に関わる仕事の魅力を感じました。その後は、自身も住んでいる小崎地区の集落支援員を務め

【椎葉若者写真鑑】 双子の姉妹

 甲斐真菜佳さんと甲斐美沙紀さんは、尾向地区出身の双子の姉妹。高校進学で椎葉村を出て以来、一度は宮崎市内で就職しましたが、数年前にそれぞれ椎葉へ帰ってきました。現在は、真菜佳さんは椎葉村観光協会へ、美沙紀さんは村内の歯科医院へ勤めています。  といっても、今二人は育児休暇中。椎葉でそれぞれ大切な人と巡りあい、それから結婚、出産と続き、揃ってママになりました。  仲良しの二人とその子どもたちのお気に入りは、椎葉のママたちの憩いの場にもなっている『椎葉村交流拠点施設かてりえ』。

【椎葉若者写真鑑】 でぇらの家

 地域おこし協力隊として六年前に移住してきた村上さんは現在、キャンプ場の指定管理や、自身で古民家をリノベーションしたシェアハウス『でぇらの家』の運営を中心に、椎葉村に興味を持ち、この環境や地域に入ってみたいと思う人の入り口となるような居場所づくりをしています。  村上さんが大切にするのは、自然を活かしながら自身の生きる力やたくましさを養い、生きる手応えの感じられる暮らしをすること。それらを体感として実践できる場所がこの『でぇらの家』です。  例えば、この家にはボイラーがあ

【椎葉若者写真鑑】 畜産農家

 実家の畜産農家を継ぐため、二年前に家族を連れてUターンした椎葉誠也さん。幼い頃は、家で牛の世話の手伝いもしたことがなかったという誠也さんが畜産に興味を持ったのは、宮崎市での会社員時代、偶然顔を出した牛の品評会でした。  両親から誘われたその日がたまたま休みだったので、何気なく行ってみた宮崎県の牛の品評会。そこは、畜産に情熱を捧げる人たちの熱気と歓声で溢れていました。初めて知った畜産の世界の格好よさ。幼い頃から身近にあった牛という存在が、一瞬で自分ごとになった瞬間でした。