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【椎葉若者写真鑑】 集落支援員

 東京で生まれ育った大石哲嗣(てつじ)さん。農業系の出版社に勤めながら、農村の問題や山村の暮らしを取材する中で、山の木々に囲まれて「かてーり」と呼ばれる共助のシステムの中で暮らす農村の逞しさに惹かれるようになりました。

 「若いうちから移住して、村民になる生き方をしてみたい」
 そんな思いに駆られ、日本各地の候補地を回って、辿り着いたのが椎葉村でした。
 椎葉では造林や土木の仕事を経験し、山に関わる仕事の魅力を感じました。その後は、自身も住んでいる小崎地区の集落支援員を務めました。そこにも、自分の住む地区や人をよりよく知りたい、本当の意味での村民になりたいという思いがあります。

 「心も体も腑に落ちた」
 そんな大石さんの言葉から、椎葉での暮らしがいかにしっくりきているのかが伺えました。地域の方達とは、ほとんど家族のような関係。地域の共同体の一員だという意識の芽生え。それは、自分自身がオンリーワンな存在なんだと自覚する感覚です。
 都会では仕事の面では代わりの居ない人材になり得るかもしれませんが、暮らしの面では、ここと同じ感覚を得るのは難しい。地域のためにやることが多く忙しいけれども、それも心地よい。そんな実感を持って暮らしを立てられることの幸せを噛みしめています。

ONLY ONE Shiiba issue16『椎葉若者写真鑑』より(2023年3月末発行)

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