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椎葉へ「UIターン」

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椎葉村へUIターンした人にお話を聞きました。
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#Uターン

【椎葉若者写真鑑】 双子の姉妹

 甲斐真菜佳さんと甲斐美沙紀さんは、尾向地区出身の双子の姉妹。高校進学で椎葉村を出て以来、一度は宮崎市内で就職しましたが、数年前にそれぞれ椎葉へ帰ってきました。現在は、真菜佳さんは椎葉村観光協会へ、美沙紀さんは村内の歯科医院へ勤めています。  といっても、今二人は育児休暇中。椎葉でそれぞれ大切な人と巡りあい、それから結婚、出産と続き、揃ってママになりました。  仲良しの二人とその子どもたちのお気に入りは、椎葉のママたちの憩いの場にもなっている『椎葉村交流拠点施設かてりえ』。

【椎葉若者写真鑑】 畜産農家

 実家の畜産農家を継ぐため、二年前に家族を連れてUターンした椎葉誠也さん。幼い頃は、家で牛の世話の手伝いもしたことがなかったという誠也さんが畜産に興味を持ったのは、宮崎市での会社員時代、偶然顔を出した牛の品評会でした。  両親から誘われたその日がたまたま休みだったので、何気なく行ってみた宮崎県の牛の品評会。そこは、畜産に情熱を捧げる人たちの熱気と歓声で溢れていました。初めて知った畜産の世界の格好よさ。幼い頃から身近にあった牛という存在が、一瞬で自分ごとになった瞬間でした。

【椎葉若者写真鑑】 椎葉村役場

 尾向地区出身で、小学校から同級生の二人。それぞれ大学や専門学校を卒業後、村へ戻り、椎葉村役場の職員になりました。  椎葉一馬さんは集落の神楽を受け継ぐため、大人になったら帰ってくると決めていました。尾前正樹さんも地元を活気づけたいという強い思いがあります。  二人は、自分たちの村を自分たちの方法で盛り上げようと、数年前にタッグを組みました。その名も『Omukai City Club』。ギターを携えた弾き語りで、尾向地区だけでなく、椎葉村内の様々な行事やお祭りに引っ張りだこ

【椎葉若者写真鑑】 郵便配達員

 郵便配達員として、地元である小崎地区を担当する黒木晏夏(あんな)さん。 「小崎の郵便配達といえば、うちの家と言われるんです」  ひいおじいさんの頃は、車のない時代だったので山から山へ歩いて配達に回っていたと、今でも地域の人が懐かしく話してくれます。おじいさんも、お嫁に来た晏夏さんのお母さんも郵便配達員として勤め、今は自分がその 後を継いでいます。  毎日軽バンに乗って、地区の隅々まで運転して回ります。それぞれの世帯へ到着すると、「こんにちは、郵便でーす」と、大きな声かけ。

【椎葉若者写真鑑】 ミニトマト・花き農家

 脱サラして宮崎市から椎葉へ家族でUターンして約十年になる椎葉勇気さん。地元の大河内地区で新規就農しました。妻の里実さんと二人三脚で、夏場はミニトマトを栽培し、冬場の花き(ラナンキュラス)は三年前から始めました。  Uターンした当時は、新規就農者自体が村内にほとんどいない状況で、補助金や制度も今ほど整備されていなかったそう。専門用語もわからないところから、研修に通う合間に自力でビニールハウスを建てました。  「ある程度の苦労は必要。諦めない気持ちと覚悟を持っていれば、これか

【椎葉若者写真鑑】 尾前設計

日本で最も山奥にあるといっても過言ではない建築設計事務所、尾前設計合同会社。代表の尾前一日出さんの元に昨年、娘夫婦が帰ってきました。楓さんと大樹さん。共に建築士で家業の設計事務所で働きます。  一日出さんは建築はもとより、自然環境や生態系、歴史、狩猟などの知識や経験が豊富で、その保全活動や教育に力を入れています。そんな一日出さんを尊敬し、都会から椎葉に帰ってきた二人。  娘の楓さんは、子どもの頃から自然の中で遊ぶこと、そしてものづくりに親しんできました。写真で楓さんが佇むツ

【椎葉若者写真鑑】 富どの亭

 道路のアスファルトからジリジリと焼けるような夏のある日、不土野の小川の、なんとも楽しそうな場所を訪ねました。  民宿『富どの亭』のご主人、椎葉鉱蔵さんが企画した『秘境の秘密基地、橋の下のファミレス』。涼しい沢で水遊びするもよし、昼寝するもよし、置かれたトランシーバーで注文すると、富どの亭からお弁当やラーメンなどが届きます。  いつも面白い企画を考える鉱蔵さんの隣では、常に息子の栄一さんがサポートをしています。この日も『橋の下のファミレス』は栄一さんが担当。林業の仕事が休み

【椎葉若者写真鑑】 森林組合

 私が椎葉の取材に参加するようになって三年。初めて、同い年の女の子に出会ったのが、森林組合椎葉支所に勤める尾前さくらさん。人懐っこい笑顔で事務所に迎え入れてくれました。  高校卒業後は自衛隊に入隊したというさくらさん。四年目に、このまま昇進するかそれとも・・・と迷った時、一度椎葉に帰ってみようと考えたそう。  そのほとんどが中学を卒業して一旦は村を出る椎葉の若者たちにとって、そんな機会は必ず訪れると言っても良いでしょう。椎葉に帰るか否か?人それぞれ、選択はさまざまだけど、こ

【椎葉若者写真鑑】 林業大学校:山師

 林業大学校という学校があるのをご存じでしょうか。国内屈指の林業県である宮崎県。それを支える、技術・知識を教え、林業後継者を育てる機関が、美郷町にある『みやざき林業大学校』です。  彼の名前は椎葉大樹。林業大学校の研修生で、今、森林組合の作業班で実習を受けているところ。この春卒業したら椎葉に戻り、林業に従事する予定です。父が林業者で、小さい頃から山に入り、木に触れ、その仕事を間近で見てきました。林業大学校に入ったのも、自然な流れだったといいます。  実習での師匠は子どもの

【Uターン者インタビュー】椎葉はいつだって歓迎してくれる

「いつか帰りたい」と「一度帰ってきたら」 今回お話を伺ったのは、椎葉村の耳川広域森林組合椎葉支所で働く、共にUターンで同級生の尾前さくらさんと那須謙二郎さんのお二人です。 椎葉村には高校がなく、中学卒業後は村外で進学します。 さくらさんは尾前地区出身。中学卒業後、小学校で始めたという剣道が強い高千穂高校へ。3年間部活動に打ち込み、卒業後は自衛隊に入隊。通信手として活躍されました。 入隊4年目の昇進のタイミングで、以前から思っていた「いつか椎葉に帰りたい」という気持ちが強く

山で働き、山で遊ぶ。秘境にUターンした20代男子が愛する"唯一無二"な椎葉村

お話を伺ったのは、椎葉村内の林業会社に勤めている尾前翔平さんです。 翔平さんは、現在26歳。 椎葉村の尾向地区出身で、高校進学を機に村を出てから、大学、そして1年間の林業学校を経て、株式会社尾前林業に就職しました。 椎葉に戻ってきて5年目の、貴重な椎葉ネイティブの20代です。 そんな翔平さん、味のあるかっこいいデニムジャケットが印象的ですが、 なんとこれ、職場から支給されている作業着なんだとか。素敵! 今回は、翔平さんが椎葉村に戻ってきた理由や、林業という仕事のこと

椎葉にある良きものを、なくしたくない。若手事業継承者が300年先につなげる未来へのバトン

今回お話を伺ったのは、有限会社鈴木組の鈴木宏明(ひろあき)さんです。 鈴木組は主に建設業を営む企業です。 3代目の宏明さんは、近年チョウザメを養殖して「平家キャビア」というブランドを立ち上げて製造販売したり、椎葉の特産品「ねむらせ豆腐」の事業継承をするなど、新たな分野にも進出を続けています。 そんな宏明さん、2021年2月に行われたアトツギ甲子園では「キャビアから始まる無くさない世界」と題したピッチ(プレゼンテーション)で、応募者数101人の頂点である最優秀賞を受賞した実

「田舎がつまらん」は自分次第。日本唯一の焼畑継承者が描く未来の基準は「楽しく、おもしろく」

今回は、尾向地区・向山日添で民宿「焼畑」を営みながら、椎葉の焼畑農業を継承されている椎葉勝(しいば まさる)さんにお話を伺いました。 世界農業遺産にも認定された椎葉の焼畑は、日本で唯一これまで一度も途絶えることなく受け継がれてきた貴重な事例として、高い評価を受けています。 その長年の継承の裏にある苦労や思いとは、どのようなものでしょうか。 勝さんに、焼畑の未来、また椎葉の未来について語っていただきました。 やっぱり故郷だから、帰りたくなった 若いころは、島根県出雲市を

自分たちでつくる「おもしろい椎葉村」

今回お話を聞いたのは、椎葉村で蕎麦屋「よこい処しいばや」と、菓子店「菓te-ri(カテーリ)」を営む椎葉昌史(まさふみ)さんです。 昌史さんの商品づくりの特徴は、宮崎県産の食材にこだわっていること。 ネットお取り寄せでも予約待ちが出るほど大人気となっている「宮崎バターサンド」や、令和2年度優良ふるさと食品中央コンクールで最高賞の農林水産大臣賞を受賞した「九州山蕎麦」を生み出した、椎葉を代表する気鋭のヒットメーカーです。 そんな昌史さん、元は東京で働いていたUターン者でも