見出し画像

【Uターン者インタビュー】椎葉はいつだって歓迎してくれる

「いつか帰りたい」と「一度帰ってきたら」

今回お話を伺ったのは、椎葉村の耳川広域森林組合椎葉支所で働く、共にUターンで同級生の尾前さくらさんと那須謙二郎さんのお二人です。

椎葉村には高校がなく、中学卒業後は村外で進学します。
さくらさんは尾前地区出身。中学卒業後、小学校で始めたという剣道が強い高千穂高校へ。3年間部活動に打ち込み、卒業後は自衛隊に入隊。通信手として活躍されました。
入隊4年目の昇進のタイミングで、以前から思っていた「いつか椎葉に帰りたい」という気持ちが強くなりUターンすることに。

謙二郎さんは下椎葉地区出身。中学卒業後、延岡商業高校に進学。進路に悩んでいた時に担任の先生から話を聞いて興味を持った、長崎大学へ進むことに。卒業後に就職した企業で、配属先がたまたま長崎県の店舗だったそうで、そのまま長崎県内で働いていました。働くうちに職場の環境が合わないと感じ退職、ご両親から「一度帰ってきたら」の声かけもありUターンしました。

少し早くにUターンしていたさくらさんが、人づてに謙二郎さんが椎葉に帰っていることを聞き、すぐに連絡。森林組合はどうかと声をかけたことで一緒に働くことになったそうです。


お仕事について伺ったところ、

さくらさん:「事務をしています。現場で作業する人の仕事の手配だったり、補助金の申請とか給料の管理とか色々です。」

謙二郎さん:「さくらさんとか他の先輩社員さんの手伝いをしています。後は山に測量に行ったり、検査したり」

お仕事中の謙二郎さん

実は謙二郎さんはインタビューさせて頂いた日の直前の日曜日に、来年度の採用試験を受けたばかりで、ちょうど週末までに結果がわかるところだったらしいのですが、さくらさんはすっかり受かったと思っていたそうで、

さくらさん:「謙二郎さんは今一応臨時職員で来てくれていて、この前試験を受けて受かりました。」

そう紹介してくださいました。

謙二郎さん:「ま、まだ分かってない」

謙二郎さんが慌てて訂正すると、まだ結果が出てないことにびっくりしていましたが、きっと大丈夫!と一言。
仲の良さが伝わり、二人のやり取りがとても微笑ましかったです。

同級生でUターンしたタイミングも近くて、一緒に働くってすごいですよね。
都市部で働いていると、職場はもちろん取引先など関係各所含めても、同級生に会うことってそうそうない。
ごく稀に同郷や同じ学校の卒業生に会うと、それだけですごくテンションが上がるし、思い出話に花が咲いて、グッと親しくなれるし安心して心強かったり。
気心の知れた間柄で、話しやすいことも多いだろうし、そういう相手が職場にいるのってすごく羨ましいですね。


森林組合の仕事に必要な要素は、お二人いわく

「気合と根性です!」

とのことでした。


椎葉の魅力って改めてなんだろう

椎葉出身のお二人に、椎葉村の魅力について聞いてみました。

「沢山ありすぎてっ!」

と、さくらさん。
インタビュー中、いたるところに椎葉や村人への愛が溢れていて、ほんとにとても温かい気持ちにさせてくれました。

地元愛が伝わる撮影中のオフショット。

さくらさん:「いい意味で、付き合いが濃いというか。椎葉に帰って来たら地域皆でおかえりーって迎えてくれるし、そんなことまで知ってくれてるのっていうくらい、いつもほんとに気にかけてくれます

謙二郎さん:「(椎葉の魅力は)それこそ帰ってきてから気付いたんですけど。もちろん不便なところは沢山あって、交通の便とかもそうだし。でも人間力みたいなものが高まると思います。都会に住んでると、なんかあっても便利なものが多くてそれに頼ってしまう。でも椎葉ではなんかあったら自分でなんとかしないといけない。大変ではあるけど、それが自分を成長させてくれていると感じます。」

日ごろから村人皆で若者を盛り上げようとしてくれているのを感じているというお二人は、

「近所の人がこれいらんから使いなとか、美味しいものは食べなって分けてくれたり気にかけてくれて、それで仲良くなれるし、優しさに触れられます」

「子育てにはおすすめです。絶対にたくましい子に育つと思います!椎葉の人は皆子どもが好きで、都会ではそうはいかないと思うんですけど、大きな声出したり走り回ったりしても怒られないし、伸び伸びできます。」

さくらさんや謙二郎さんが子どものころも、同じように伸び伸び育ったんだろうなというのが伝わります。

椎葉はいつだってオープンマインド

椎葉で伸び伸び育ったお二人に、椎葉の特に好きなところ(場所など)を伺ってみると

さくらさん:「小さい時からじいちゃんと魚釣りとか行ってたのもあり、私は上椎葉ダムが好きです。出勤する時の霧がかったところに朝日が差すのも、帰る時夕日がバーっとなってるのも、一日の始まりと終わりがダムなので落ち着きます。観光で来る人も放流とかだけじゃなくて、日常の何気ないダムの景色を見てほしい。」

謙二郎さん:「椎葉小学校のグランドです。たまに同級生が帰ってきたりすると、グランドに行ってキャッチボールをしたりするんですけど、昔を思い出す瞬間があるんですよ。風景とかもそうですし。気づいたらいつも集まってる感じです。」

椎葉の小学校はいつも門が開いていて、誰でも気軽に入ることが出来るんだそう。なんなら授業参観の日以外に授業の見学なんてことも!
それにはとても驚きました。
学校の門って登下校時以外は閉まっていて、在校生でも休みの日には事前に許可を取ってから入らせてもらうものだと思っていたから。


ただ、オープンなのは学校だけではないみたい。
移住を考えてる方にひとことお願いしたところ、

「椎葉はいい意味でも悪い意味でも距離感が近いです。気にかけてくれるあまりグイグイくるから、最初はわーってなってしまうかもしれないけど…なんだろう」

「最初は戸惑うこともあるかもしれないけど、一緒にお酒を飲んで仲良くなれば、なんとかなります。

椎葉の人にとって来てくれるのは嬉しいことなので、いつでも歓迎してくれますよ!

お互いの言葉に付け加えながら、二人でまとめてくれました。

インタビュー中のさくらさんと謙二郎さん

対照的な二人の、故郷への想い

ずっと変わらず好きだと椎葉愛が溢れるさくらさんと、ずっと当たり前すぎて気付かなかった椎葉の良さを感じ始めている謙二郎さん。

対照的なお二人だけど、これからの椎葉に対する思いは同じ。

謙二郎さん:「子どもが好きなんですけど、せっかく山や川の自然が多くていい環境があるんだから、子ども達が元気に過ごしやすいような、子どものいる家庭が落ち着いて暮らせるようなサポートというか、環境が整えばいいなと思います。」

さくらさん:「椎葉出身の人もそうでない人もそうなんですけど、椎葉に来たから何か偉大なことをしないといけないとか、そういうことを考えなくていい。もちろんいろいろしてる人はすごいと思うけど、そうじゃなくて、ただフッと椎葉に帰って来たくなるようなそういう場所であってほしいと思うし、そうしたいと思います。」

まだ20代の若い二人が、次の世代のことをしっかり考えている。
それはきっと二人もそうやって大切にされているからで、二人を見ていても感じられる。

中学生で寮生活になり、高校生で村を離れるという特殊な環境の椎葉村。大人になってから気付くことも多い、家族への感謝や大切さ、まわりの優しさにも早く気付くことが出来るだろうし、だからこそ、さくらさんや謙二郎さんも人を思いやれるんだろうなと思いました。

椎葉の為にという想いのリレーが、この先もずっと続くことを願わずにはいられない。
お二人にお会いして、そんな気持ちにさせてもらいました。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!