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犬たちは、林の中に分け入って、「どこか遠くへ行ってしまったか?」と不安になった頃、ガサガサと音を立てて1頭、また1頭と猟師の元に帰ってくる。 「この山に必ず獲物がいる。」猟師の確信を裏付けるように、しばらく付かず離れず山道を進んでいた犬たちは、猪の気配を嗅ぎつけたのか一斉に獣道へと走り込んでいった。 向山日当、椎葉博さんのシシ狩りに同行する。猟師単独での吠え止め猟。数頭の犬が猪を取り囲み、吠え、1箇所に止めているところを猟師が銃で仕留める猟だ。 犬たちは、猪や鹿
よくよく見ると・・・ きつね です。 椎葉でも、なかなか出会えない すばしっこい動物。 あわててカメラを構えたけれど、 この始末。 空にゆるりと輪を描くのは どこでも見られる鳥ですが 椎葉のトンビは精悍で男前。 タカと見紛うほどのカッコ良さ。 街場のトンビみたいに 油揚げをさらったりして のんきな生活を送っていないのでしょう。 油揚げ? きつねうどん? あ、つながった。 ひとりニンマリしながら車を走らせた 日本晴れの一日。 冊子バックナンバーをご希望の方は、こちらから
太陽が穏やかに地上の全てのものを照らし、ぽかぽかと気持ちのよい12月のある日、『ダム湖探検クルージング』が行われました。参加者は3隻の船に分乗して湖面の人となります。 水上から眺める風景は、普段車で道路を走る時のそれとは全く違います。道路下の山肌が剥き出しの斜面や、終わりを迎える紅葉や、上空を悠々と飛ぶ鳥たち、全てが上に見えるのですから。下にあるのは、薄いボートの底とその下の緑色に透き通った水だけ。 特に、『日本初の大規模アーチ式ダム』の巨大な堰堤の上流側を正面から
風薫る椎葉里歩き 第6回 ONLY ONE エディター 中川薫 椎葉に、神楽の季節がやってきました。 ここは尾手納。近年新型コロナウイルスの影響などもあり、今年は3年ぶりの神楽の奉納となりました。 尾手納神楽の目玉は、何と言ってもこの太夫舞。「椎葉の中でも尾手納の太夫舞はすごい。迫力が違うもの。」そう言う人もいるほどです。 椎葉信男さんは、世襲制のこの演目を40年前に父親から受け継ぎ、今日まで舞い続けてきました。 午前1時。焼酎の酔いも手伝って、迎えたこの日
※ 椎葉ではソバ刈りのことを「そまかり」とも言います。 真っ白でかわいい花を一面に咲かせた後、緑の実が段々茶色くなってきたら、ソバ刈りの合図。 この日栂尾の畑では喜代子さん、トヨ子さん、ヒデ子さんが近所の若い人のソバ刈りを手伝って「かてーり」です。 朝、畑へ出発前に、カズラで紐づくり。カズラは葛の蔓のこと。最近では既製品の紐を使うことも多いのですが、近くに幾らでもあるカズラを採ってきて、ちょうど良い太さに割くと、立派な紐ができます。これでソバを束ねておくと、掛け干し