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椎葉村情報誌「ONLY ONE Shiiba」

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#ヤマメ

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川おだやかに

 尾向渓谷まつりは、早朝からの釣り大会と午後のエノハ(ヤマメ)のつかみ取り、そして出店とステージで賑わう夜の部と盛りだくさんのお祭り。  今年は残念ながら台風の影響で釣り大会は中止になったけれど、子どもたち(とその親)のお目当てのつかみ取りは大盛況のうちに開催されました。  川を仕切って作った池には何百尾というエノハが放流されていて、初めはおっかなびっくりでその中に飛び込んでいく子どもたちを、実行委員のお父さんたちは、堤の上から優しく見守ります。  自分達がかつて河童のよ

雪解け

2月8日、椎葉に雪が降った。 しんしんと、しっとりと、水墨画のように山を薄化粧した雪は、間もなく陽に溶けたけれど、 峠道や谷間の日陰に残ったものは氷となり、3月に入ってもしばらくは溶けずにうずくまっていた。 3月半ば、大河内の国道沿いに、毎年見事な景色を見せてくれる氷柱の群れも、すっかり春の陽気にとろけてしまっていた。 その身を溶かして、ぽたり、ぽたりと落ちた雫は、側溝を伝って源流に近い一ツ瀬川へと合流していく。 ようやく水温んだ川の浅瀬では、小さなエノハが餌を探し

エノハとったですーー!

椎葉の交流拠点施設『かてりえ』に隣接する保育所。 小雨の降る夏のある日、建設業や食品製造の会社『(有)鈴木組』の鈴木克裕さんが1台の軽トラに、酸素補給用のブクブクを搭載した水槽を積んでやっ てきました。 水槽の中には自社で養殖している『エノハ』(椎葉ではヤマメのことをそう呼びます)がたくさん。 そう、今日は子どもたちとその親も、お楽しみのエノハのつかみどりの日なのです。 エノハの養殖は手間がかかり、採算のことを考えれば、なかなか大変なのですが、鈴木さんは「椎葉のエノハを絶