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八月十六日、 勝さんの山では、今年も変わることなく焼畑がおこなわれました。 世界にさまざまなことが起こっても、起こらなくても、ずっと続けられてきた営み。 今年の煙、クニ子おばあは空の上から見てくれたことでしょう。
椎葉亜也加さんは、尾向地区で今も受け継がれている伝統農法の焼畑や、夜神楽に興味を持ったことがきっかけで、長年冬の神楽の時期に合わせて椎葉に通いつめ、ついに六年ほど前に移住してきました。通い出した当初はまだ移住者はほとんどおらず、今こんなふうに、たくさんの若い世代が椎葉に移り住む時が訪れるなんて、思ってもみませんでした。 長年の交流を経て地域にもすっかり溶け込み、近所の農作業の手伝いもよく頼まれるような気心の知れた関係のもと、椎葉暮らしを満喫している亜也加さん。 毎年加
秋、11月。向山日添地区のヒエ畑を訪れました。そこには、急な斜面を覆い尽くすように1メートルほどの背丈に育ったヒエが無造作に生い茂り、ぎっしりと実りをつけた穂が重そうに頭を垂れていました。 ここは、2年前に焼畑をした場所。焼畑をしたその年にはソバを、2年目にはヒエやアワを蒔きます。春に蒔いたヒエの種は、半年ほどで収穫の時期を迎えました。 冬、2月。乾燥させておいたヒエの精白作業『ひえつき』です。教えてくれたのは椎葉ミチヨさん。ひえつきは昔から、寒い日が続くときや、雪