【椎葉若者写真鑑】 森林組合
私が椎葉の取材に参加するようになって三年。初めて、同い年の女の子に出会ったのが、森林組合椎葉支所に勤める尾前さくらさん。人懐っこい笑顔で事務所に迎え入れてくれました。
高校卒業後は自衛隊に入隊したというさくらさん。四年目に、このまま昇進するかそれとも・・・と迷った時、一度椎葉に帰ってみようと考えたそう。
そのほとんどが中学を卒業して一旦は村を出る椎葉の若者たちにとって、そんな機会は必ず訪れると言っても良いでしょう。椎葉に帰るか否か?人それぞれ、選択はさまざまだけど、ここが、いつ帰っても安心できる場所であることは皆に共通していることのようです。
尾向地区出身のさくらさん。地区の青年会にも所属しています。毎月飲み会があることなんかも教えてくれました。インタビュー中は、お互いの恋愛トークで盛り上がったり・・・なんだか久しぶりに会った友達と話しているよな気分になったのは、桜の蕾が「ぽっ」開いたような、さくらさんの雰囲気のせいかもしれませんね。
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「椎葉の山を鹿んごつ(鹿のように)走り回りよる子よ」と紹介されたのが、那須謙二郎さん。長崎の大学に進学、卒業後も長崎で勤めていましたが、新しい一歩を踏み出そうと帰郷。現在、森林組合椎葉支所の職員として、日々現場を駆け回っています。爽やかな笑顔で現場の人たちに挨拶をして回る姿は好青年そのもの。
椎葉にこれからもずっと居たいですか?と、単刀直入に聞いてみました。
「分からない。もちろん、椎葉のことは大好きです。だけど、今は通過点だと思っています。これから自分がどんな道に進むのか、それに応じて身を置く場所も決まってくるのかな?」
そうですね。正直先のことは分からない。気負わず、遠くの山を見て、目の前の仕事に取り組む。鹿のように軽やかな足取りで、どんな道も彼なら進んでゆくことでしょう。
ONLY ONE Shiiba issue16『椎葉若者写真鑑』より