九州脊梁山地のブナと山地の保全を考える
イベント概要
5月18、19日の土日に、山の健康を考えるイベントが椎葉村にて開催されます。
18日(土)には、九州大学の片山准教授より九州山地の土壌環境について、神戸大学の東助教よりブナの生理的特性について、講演があります。
そして19日(日)には、実際に椎葉村の白鳥山に登って、現在の山の環境がどのようになっているのかを、研究者の方と椎葉村が誇る「秘境のインタープリター」山之内さんと一緒に確認します。
日時、場所
5/18(土) 13:30~ @椎葉村交流拠点施設Katerie
●九州山地のブナの現状 土壌浸食と土壌生態系
by 九州大学宮崎演習林 片山歩美 准教授
●ブナの生理的特性
by 神戸大学農学研究科 東若菜 助教
5/19(日) 9:30~ 現地散策@白鳥山
峰越登山口(ぼんさん越)集合、全行程5~6時間
イベントで考えること
椎葉村、とても鹿が多いです。中心部の上椎葉においても夜は鹿の鳴き声が響き渡っています。
人間も同じですが、数が増えて一番考えるべきは食料です。増えた数の分、山の木や葉が食用に供されていきます。いわゆる「食害」というものです。
食害は何が「害」なのか。ズバリ、山の環境においては「土壌環境の悪化」に繋がるらしいのです。
鹿が、まだ小さな植物や堆積した葉を食べると、土壌がむき出しになります。そこに雨が降ると、雨水と共に土壌が流失します。また冬などは土壌が凍結して融解することを繰り返すことで、少しずつ土壌が侵食されていきます。それで支えを失った木が倒れる、という「害」になるのです。
加えて最近の研究で分かったのは、土壌の浸食によって土壌の微生物にも変化があるということらしいのです。良い方向に変化してくれればいいのですが、どうやら更に土壌が侵食されるような方向に変化してしまうそうです。
今回の講演会と現地散策のイベントでは、最新の研究成果を共有しながら、今後の九州山地のあり方を考えていきます。学びと実践が両方できる貴重な機会ですので、ぜひご参加ください。