【椎葉若者写真鑑】 郵便配達員
郵便配達員として、地元である小崎地区を担当する黒木晏夏(あんな)さん。
「小崎の郵便配達といえば、うちの家と言われるんです」
ひいおじいさんの頃は、車のない時代だったので山から山へ歩いて配達に回っていたと、今でも地域の人が懐かしく話してくれます。おじいさんも、お嫁に来た晏夏さんのお母さんも郵便配達員として勤め、今は自分がその
後を継いでいます。
毎日軽バンに乗って、地区の隅々まで運転して回ります。それぞれの世帯へ到着すると、「こんにちは、郵便でーす」と、大きな声かけ。在宅中であれば、皆この合図で玄関先まで出てきてくれるのです。
集落から集落へ車を走らせ、季節の変化に目を留められるこの仕事が、この暮らし方がとても気に入っているという晏夏さん。高校卒業後に椎葉へ帰ってきて以来、街に出てみたいと思ったこともあったけれど、いつの間
にか故郷が心地いい居場所になっていました。自分らしい生き方ができているなと、最近では感じています。
晏夏さんは、椎葉村の青年会長も務めています。若い世代が頑張っている姿は、きっと地域の人を元気づけるはず。子どもたちにも、大人が地域のために楽しんで活動する姿を見てもらいたい。今を皆で楽しむことが、未来
の椎葉にも繋がると信じています。
ONLY ONE Shiiba issue16『椎葉若者写真鑑』より