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【椎葉若者写真鑑】 ミニトマト・花き農家

 脱サラして宮崎市から椎葉へ家族でUターンして約十年になる椎葉勇気さん。地元の大河内地区で新規就農しました。妻の里実さんと二人三脚で、夏場はミニトマトを栽培し、冬場の花き(ラナンキュラス)は三年前から始めました。
 Uターンした当時は、新規就農者自体が村内にほとんどいない状況で、補助金や制度も今ほど整備されていなかったそう。専門用語もわからないところから、研修に通う合間に自力でビニールハウスを建てました。

 「ある程度の苦労は必要。諦めない気持ちと覚悟を持っていれば、これからもやれると思います」
 勇気さんの農業に対する熱意も、さらなる収量や品質への向上心も、夫婦二人で分け合っているからこそ湧いてくるのかもしれません。
「一緒にやれていることが強みです。もし奥さんがどこかへ勤めていたら、一人で抱え込んでいたかも」と振り返る勇気さんに、うんうんと頷く里実さん。なんだかとてもいいコンビネーションです。
 ここ数年は、仕事の区切りや効率を見極められるようになり、ぐっと理想的な生活に近づいてきました。自営業だからこそやった分だけ収入に繋げて、休みも決められる。子どもたちとの時間も増えました。

 「将来歳を取って子どもが巣立ったら、何歳までハウスをしようかと話をするんです」
 そんな会話を繰り返しながら、働いて、家族で遊んで、たまに旅行して。それこそが、これからもずっと続けたい幸せそのものです。

ONLY ONE Shiiba issue16『椎葉若者写真鑑』より