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国境の長いトンネルを抜けると商店があった。

 こちらは椎葉村の北の玄関口、仲塔地区。五ヶ瀬町との境界の、長い長い国見トンネル(2・7キロ)を抜けて椎葉へ入ると、道沿いにポツンと佇む商店があります。

 『久木野商店』。峠越えの長くて暗いトンネルを通り抜けてきた後だけに、赤いテントの庇と、そこに書かれた「商店」の文字、店頭に積まれた食品の段ボール箱、アイスクリームの冷凍ケースを見ただけで、ドライバーたちは何故か救われたように、ほっとするのでした。

 ご主人の久木野康志さんは、この辺りの山や川を知り尽くす名人。今は3月、渓流釣り解禁直後。県外からやってくる釣り人たちの多くも店の常連さんで、お店に寄っていってくれるそうです。

 久木野商店の隣には無人販売所「がんばりや」。近所の方が持ち寄った野菜や果物、名前が書かれた木札と集金箱が並んでいます。

 ネットが張られているのは、人ではなく鹿やカラスがお金を払わずに野菜を持っていく事があるから。がんばりやの皆さんの努力に報いるために、「いただきます」と心で念じつつ、百円玉をチャリンと入れて、野菜をいただいて帰りましょう。


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